提供できること
提供できること
その1【体験談講義】
リハビリテーション専門学校の学生様や、作業療法、理学療法、言語聴覚療法等の保健医療福祉領域の養成学
「リハビリ体験」「障がい体験」「就労体験」などを直接、伝えることができます。
学校であれば平日の昼間、協会や学会であれば週末の昼間にこの体験談講義を行いました。
講義は、スライドなど使い、60分~80分の講義に質疑応答を含めて90分。
①障害体験、②リハビリ体験、③当事者の本音、④理想のリハスタッフ像、⑤リハビリで混乱した例、⑥退院後に必要な社会資源、行政サービスなどを伝えることができます。
【想定される講義/作業学、地域作業療法学、地域リハビリテーション、介護保険卒業体験談】
その2【研修イベント企画】
2015年に「セラピストのための実践型研修~生活行為である『旅行』を学ぶ~」という研修を協働で企画しました。
「障がいを持つ者の24時間の実際の生活」「中途障害の新たな人生へ軌道修正」「心のリハビリの大切さ」等を共有あするために、1泊2日、大分県日田市において実施されました。
「患者理解」を促し、より質の高い医療、福祉の実現に向けて、有効な方法であると考えます。
【その他想定される研修・イベント/「片手の料理教室」「自宅工房での革細工製作教室Made with one hand」等】
その3【協働研究】
研究という「新たな知見を得る」という目的であり、障がい体験者と医療研究者との「協働」の「研究」となります。
①医療従事者のみでは障害者の現実や本音把握は難しく、逆に②障がい当事者のみでは、障がい体験はあるが学術的な知識が少ない。
よって、①と②が「協働」して「研究」を行うものです。正会員には小林博士、野尻修士、葉山修士がいます。※研究調査の対象としての障がい者ではありません。
【その他想定されるサービス/専門誌へのコラム執筆、連載執筆、シンポジストなど】
協働アプローチ論
「障がい当事者との協働アプローチ」について(小林)
「障がい当事者との協働アプローチ」はNPO法人学びあいの活動の柱となる考え方で、学びあいの小林らが2014年に提唱しました。
国連の障害者権利条約では、障害は社会的に参加する事を妨げるものによって生じると述べています。しかし、現実には脳血管障害等を持つ当事者は、病院を退院した後、十分に参加の機会がなく、自信や意欲を回復できないままになっている事が非常に多いことが知られています。
以前、小林は、片麻痺者のMに地域リハの会で自身の経験を発表することを提案し、その作業を支援しました。そしてこの経験がMを非常に勇気づけたことを知り、当事者と一緒に、彼らの経験を社会に役立てるべきだと考えました。この考え方を、後に「「障がい当事者との協働アプローチ」と名付けました。
この考え方は、次の内容を含んでいます。
1)支援者が、当事者をサポートして社会に繋がる活動を一緒に行う.
2)その際、同じ目的のため、対等の立場で協力して働く
3)その経験は、自信を高め、心身の健康促進となる
小林幸治(目白大学准教授)
「作業療法士との協働アプローチ」について(葉山)
「協働アプローチ論」を小林氏から聞いた時、これは、人類の大きな発見だと感じ、感動しました。それは、全くの逆方向の「障がい経験者がセラピスト(OT・PT・ST)を支援」を含む「協働」だと、私は理解したからです。
私は、12年前に片麻痺の体で、法人を設立し、デイサービスを開設し、作業療法士ともに働いてきました。その記録を、拙著「だから、作業療法が大好きです!」に作業療法士のY氏と協働で書き、各養成校や協会研修、学会での講義を通じて、作業療法教育に携わってきました。
本来的なリハビリテーションを再構築するためには、a)障害者をより支援する、という考え方と共に、より根幹的な、b)セラピストに「障がいの現実や社会的側面」を今まで以上に伝え、理解してもらい、研究、教育、臨床を支援する考え方が重要だと思います。
リハビリテーション医療の進化のためには、a)1人の障害者を支援、と共に、b)1000人の障害者を治療するセラピストを支援。
このb)が今、必要だと思うのです。
障がい者がセラピストを支援するのです。(誤植ではありません)
だから、「学びあい」であり、「Learning together」であり、「Learning from and about each other」なのです。
時には、障がい経験者が先生(Teacher)として教え、セラピストが学生(student)となる場合もあるでしょう。
障がい経験者は、そう大きな力をもっているわけではないので、ここでTeacher役をOTとの「協働」によって行われます。それは美しい「協働」です。
風化した「クライエント中心」概念ではなく、小林氏と葉山が提唱する「協働アプローチ」。
それは、本来的なリハビリテーションの新たな始まりなのです。
2018.8.21 葉山靖明 (人間科学修士・片麻痺歴13年)